Subsections
の解はもちろん
個である. これは最も簡単な解のない方程式である.
の解は
となり, 最も簡単な解の公式である.
の解は
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(2.8) |
となり, 一般的な公式に比べて無駄がない. ここで
を導出したときの
と
の対応を考えて, 添字も指数だと思ってしまうと, 平方根の中身は2次, 全体としては1次となって非常にうまくできている. これはもちろん
の「同次性」による.
さて,
の解を求めたいのだが,
とすれば
と変形できるから,
,
とおいて
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(2.9) |
を考える. これを
という恒等式と比較すると,
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(2.10) |
とおけば
となることが分かる.
を求めると
となるから,
![\begin{displaymath}
y=\omega^{m}\sqrt[3]{\frac{b_3+\sqrt{b_3^2+4b_2^3}}{2}}+\om...
...}\sqrt[3]{\frac{b_3-\sqrt{b_3^2+4b_2^3}}{2}} \qquad (m=0,1,2)
\end{displaymath}](img45.png) |
(2.11) |
を得る1. これを
と
の関係に直すと,
,
をそれぞれ
とおいて,
![\begin{displaymath}
x=a_1+\omega^{m}\sqrt[3]{\frac{C+\sqrt{D}}{2}}+\omega^{2m}\sqrt[3]{\frac{C-\sqrt{D}}{2}} \qquad (m=0,1,2)
\end{displaymath}](img57.png) |
(2.14) |
となる. ここで再び添字を指数と考えると,
は3次,
は6次となり, やはり全体としては1次となっている. ただし, この形は方程式を
と書いた場合の
に比べてかなり無駄は少ないが,
の各項の係数の法則がよく分からない. しかし係数は和をとればともに
となることなどから, 本質的なものであると考えられる.
の解についても同様だが, 少し簡単になったところでさすがに煩雑なので書かない.
は
関数,
は超幾何関数を2変数に拡張したKampé de Fériet関数を使って解けるが, その場合にどうなるのかは確認していない.
の解がすべて実数の場合, 次のようにして範囲が求まる. まず
を代入して,
についての
という方程式を考える. 解を
とすると, 解と係数の関係
を用いて
となる. つまり
の平均は
, 分散は
である. 任意の解として
を代表に使うと, 明らかに
であるが, Cauchyの不等式2を用いて
となるから,
に改良できる. よって
が
を満たせば,
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(2.16) |
の範囲に含まれることが分かる. もし方程式を
と書くと, 解を含む区間の端点は
となり, 余分な係数がついてしまう.
Kenichi Kondo
平成16年3月18日