Subsections
正の実数
に対して, 相加平均, 相乗平均をそれぞれ
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(3.17) |
とおいたとき, 相加相乗平均の不等式(arithmetic and geometric means inequality, agmi)
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(3.18) |
が成り立つことは有名で, 多くの証明が知られている. 例えば
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(3.19) |
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(3.20) |
及び, に対してであること3に注意すると,
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(3.21) |
となるから, である. また等号成立条件は
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(3.22) |
となる.
もしの解が
であるとすると, 解と係数の関係から
となるので, より一般的に
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(3.23) |
が成り立つと予想できる. この不等式が成り立つという命題をとして, 単純な帰納法で証明することを考える. は自明である4から, 問題は
である.
ここでとを結びつけることを考えたとき, 次数の差は1で, しかもそれぞれ, に対応しているのだから, 試しに微分してみる. そうすると,
のように期待通りの結果が得られる. これが分かれば後は簡単で, とすると,
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(3.25) |
という方程式はRolleの定理より個の正の実数解を持つから, の仮定の下に
となる. また解と係数の関係に注意すると, agmiより
である. つまり
だから, すべての自然数に対してとなる.
等号成立条件の導出は少しややこしい. もし
が成り立ったとすると,
に用いるagmiの等号成立条件を考えることで
となるが, に関係なく成り立つ
に注目すると,
を得る. よって等号は
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(3.26) |
の場合に成り立ち, そのときすべてのは等しくなる.
Kenichi Kondo
平成16年3月18日