形式的冪級数の和, 差, 積はよく見かける. 即ち,
を
と略記すると,
である. ところが商について, つまり逆元については明示的な形を見たことがない.
の逆元が
である条件はKroneckerの
1を用いて
となるから,
が可逆である条件は
で, その場合には
が唯一つ決まる, という当たり前のことはよく書いてある. もう少し詳しい本だと,
と正規化して,
において
に
を代入すればよいと書いてあるが, 代入した後に右辺の冪を展開して整理してはいない. そこで実際に
の冪の明示的な形を求めてみることにする.
Kenichi Kondo
平成16年3月18日